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みずまくら の 思 い 出(追加版)
揺れる大型フェリー「さんふらわあ・きりしま」での 水 枕 体験
平成13年秋、私と家内は鹿児島観光のツアーに参加しました。
3泊4日の旅ですが、ホテルでの宿泊は1泊のみ、2泊は船中泊です。
午後6時、大阪南港を出港して船中泊、翌朝9時に九州・志布志港へ接岸します。
桜島を観光、鹿児島市内を通って知覧を見学、開聞岳を観光してその日は指宿温泉のホテルに宿泊しました。
翌日は、指宿温泉から鹿児島市内の焼酎工場を見学、霧島神宮へ参拝、志布志港から大阪南港へ向けて帰途に
着きます。
大型フェリー「さんふらわあ・きりしま」の船室は、往復共にツインベッド個室のデラックスBを予約しました。
フェリーは、12,000トンの大型フェリーだけあって乗船して船室に入ると船の感覚がありません。まるで、
ホテルの様です。
往路の大阪南港から九州志布志港までは、黒潮の流れを避けて陸の近くを航行するので、揺れは余りありません。
しかし、復路は、黒潮に乗って速度を上げて航行するので、揺れが可なり気になりました。
船の揺れは、ローリングとピッチングそれに上下動です。
ベッドに横になっている場合、身体に対して横の揺れと上下動は余り気になりませんが、問題は、身体に対して
縦、即ち身長方向に揺れる揺れです。
頭が下がる時に血液が頭に集る様で余り気持ちの良いものではありません。
私は勿論、このツアーにも 水 枕 持参でした。
往路は、船室の洗面所で 水 枕 に水を入れ船室のベッドで熟睡しました。
復路も 水 枕 を使ってベッドに横になっていたのですが、フェリーが揺れ始めると
水 枕 が面白い現象を呈し始めたのです。
その現象は、フェリーが身体の横方向に傾く時( 水 枕 では縦方向)に現れました。
水 枕 の空気が、フェリーの揺れで「トクン・トクン・トクン」と音を立てながら
少しずつ移動するのです。
その都度、 水 枕 は、ひとつ目フックを「プルン・プルン」と揺らせます。
船が身長方向へ揺れる時には、 水 枕 に変化は殆どありません。
「さんふらわあ・きりしま」は大型フェリーですから、横揺れ方の周期は相当長いものです。
その長い周期に合わせて 水 枕 の水が鳴る様は、正にウイスキーをボトルから
注ぐ音そっくりでした。
私は、カバンから持参していた700mlの「ローヤル」15年もののウイスキーを取り出しグラスに注ぎました。
ボトルは 水 枕 と同じ音を出しながら琥珀の液体をグラスに満たして行きました。
船のローリングに合わせながら最初に口にした、ストレート「ローヤル」15年もののウィスキーの味は格別でした。
独特の芳醇な香りと味が口一杯に広がります。
大型フェリー「さんふらわあ・きりしま」の、 水 枕 とウイスキー体験の楽しい
思い出でした。
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