１、ゴム製 水 枕 (氷入り)作りに用意するもの。

　　　○　市販のゴム製 水 枕 
　　　　　市販のオンリーワン、ダンロップ、オカモト、KRCなどの市販のゴム製 水 枕 を
　　　　　インターネット 通販 やお近くの薬局などで購入します。
　　　　　もちろん、ご家庭にお持ちの場合はそれをご使用いただきます。
　　　　　長年使用しないで保存されている場合は、ゴムが劣化していないか確かめます。
　　　　　ゴムが柔らかくなって 水 枕 が変形している場合は、新しい 水 枕 に買換えて下さい。

　　　　　ここで、普及型とボックス･安定型 水 枕 ついて特徴を記します。
　　　　　普及型は、独特の浮遊感と柔らかで優しい使用感の 水 枕 らしい一般的な 水 枕 です。
　　　　　ボックス･安定型は、ナチュラルな安定した沈み込みが特長です。
　　　　　 水 枕 の決定については、種類の ページ も参考にしてお決め下さい。

　　　　　(注意)小児・子供さんには、大人用 水 枕 は大き過ぎますので「小児用 水 枕 」を準備します。

　　　○　カバー用タオル
　　　　　市販かお手持ちのスポーツ・タオル、またはバス・タオルが適当かと思います。
　　　　　フェース･タオルで 水 枕 を巻いた場合、空気に直接触れる両端に露結を生じます。
　　　　　カバーには、市販の専用の 水 枕 カバーがあれば最適です。

　　　○　氷
　　　　　ご家庭の冷蔵庫で作ったブロック型の氷を 水 枕 に１／２から２／３程度用意します。
　　　　　高熱などで頻繁に氷を換えなければならない場合は、冷蔵庫の製氷能力を高めて作って置きます。
　　　　　更に氷が足らない場合は、スーパーなどでブロック氷を購入して対処します。

　　　○　冷やした水
　　　　　ご家庭の冷蔵庫で冷やした水道水を０．３から０．５リットル用意します。
　　　　　水枕の水に冷えた水を使用しますと、 水 枕 の冷たさが長く保たれます。

　　　○　 水 枕 を置く台の枕
　　　　　 水 枕 を乗せる台の枕には、薄手の座布団を二つ折りにしビニール・シートを敷いて使用します。

　２、ゴム製 水 枕 (氷入り)の作り方（入れ方）。


　　　○　ゴム製 水 枕 に水漏れがないか調べる
　　　　　ゴム製 水 枕 はラテックスを化学処理した一種の天然ゴムで作られています。
　　　　　天然ゴムは、３年から４年で劣化が始まり、７年から８年も経つと可なり劣化すると言われています。
　　　　　ゴムが柔らかくなっていたり変形している場合は、新しい 水 枕 に買換える必要があります。
　　　　　水道水を、使用するゴム製 水 枕 に入れて水漏れしないか確かめて見ます。

　　　○　使用する氷の角を取ります。
　　　　　特に板の氷を割って小さな氷を作った場合は、氷に鋭い角が出来ている事があります。
　　　　　鋭い角があるとゴムに傷を付けますので、割った氷をザルに取り水を掛けて少し解かし角を取ります。

　　　○　氷をゴム製 水 枕 へ入れます。
　　　　　氷を 水 枕 へ１／２から２／３程度に入れます。
　　　　　この場合、氷を手で入れると冷たくて手が凍えますので、玉杓子の様なもので入れると便利です。
　　　　　 水 枕 の口が変形して入れ難いので、上手く口を摘まんで入れて下さい。

　　　○　冷やした水を入れます。
　　　　　冷えた水を入れて行き、 水 枕 の中で氷が自由に動く程度に入れます。
　　　　　水が少ない場合、 水 枕 の氷がガチガチになり氷が当たって使い心地が悪くなります。
　　　　　 水 枕 の中で氷が自由に動く程度、手の平で 水 枕 の中程を押えて底付きしない程度が適当です。
　　　　　水や氷を入れ過ぎますと、 水 枕 の中で水や氷に動く余裕がなくなり使用感が悪くなって
　　　　　寝難くなりますので注意が必要です。

　　　○　 水 枕 に締め金具を掛けます。

　　　　　 水 枕 の口を上げ、 水 枕 を二つに折る様にして空気を完全に抜きます。
　　　　　空気が残っていると「ガバ・ガバ」空気が移動する音や「チャプ･チャプ」水の音がして
　　　　　耳障りになりますし、 水 枕 の冷却効果が低下します。
　　　　　どうしても上手く空気が抜けない場合は、多少空気が残っていても仕方がありません。
　　　　　 水 枕 は鳴りますが、これは 水 枕 を使っている証しでもあり、好まれる場合もあるのです。
　　　　　私は、少年の頃母が作ってくれた 水 枕 が「チャプ･チャプ」鳴ったのを懐かしく覚えています。

　　　　　その状態で、再び空気が入らない様に 水 枕 を保ちながら 「締め金具」を掛け ます。
　　　　　「締め金具」を 掛ける位置 は、金具の両端でゴムが無理に挟まれない様に、ゴム製 水 枕 の肩の
　　　　　少し上辺りに掛けます。
　　　　　締め金具の蝶番部分に遊びがあって、締め具合が緩いと水が漏れる恐れがあります。
　　　　　その様な場合は、 水 枕 の金具を当てる部分にガーゼ等を巻いて締めます。

　　　　　 水 枕 を逆さにして水が漏れないかよく確認します。
　　　　　締め金具を留具が互い違いになる様に 二丁掛け をして置くと安全です。
　　　　　病院など医療機関では、安全のため締め金具を二丁掛けにしています。

　　　　　(注意)水漏れを徐々に起す事がありますので、充分確認する事が必要です。

　　　○　 水 枕 表面の水を拭ってカバーで覆います。
　　　　　 水 枕 を平らな台になるものの上に置き、乾いたタオルで濡れを拭います。
　　　　　そして、用意したバス･タオルなどで、完全に 水 枕 を包んでしまいます。
　　　　　 水 枕 の両端をガバーから外すと、その部分が露結して寝具や寝間着を濡らす恐れがあります。
　　　　　この様にすれば、患者が手や顔を「締め金具」に当てて怪我をする事もありません。
　　　　　また、ゴム製 水 枕 のゴムの匂いを防ぐ事が出来ます。
　　　　　以上で、 水 枕 の出来上がりです。

　　　　　カバーを掛ける前の 水 枕 を 写真 で示します。

　３、ゴム製 水 枕 の使い方。


　　　○　ゴム製 水 枕 の台にする枕
　　　　　ゴム製 水 枕 の台にする枕は、今まで使っていた枕では高くなり過ぎます。
　　　　　最適な台の枕は、薄手の座布団二つ折りがいいと思われます。
　　　　　昭和30年代、私が少年のころには母が座布団を二つに折って 水 枕 を置いてくれました。
　　　　　その上に、露結防水のためのビニール・カバーを掛けます。

　　　○　ゴム製 水 枕 の置き方
　　　　　台の枕の丁度真ん中に 水 枕 を置きます。
　　　　　そして、 水 枕 は、「締め金具」のレバーが下になる様に置きます。
　　　　　これは、不用意にレバーにものが引っ掛かって「締め金具」が外れない様にするための用心です。
　　　　　

　　　○　枕の高さの調整。
　　　　　実際に患者に 水 枕 で寝てもらい、枕の高さが適当かどうか確認します。
　　　　　枕の高さが適当でないと、安眠を阻害し、肩こりや頭痛の原因になります。
　　　　　枕の高さは、台になる枕の高さを変えて調節します。
　　　　　患者に、 水 枕 が冷た過ぎず心地いいかどうか、
　　　　　 水 枕 の氷や水の量が適当かどうかも聞いておきましょう
　　　　　(注意)幼児や子供の場合には、大人用 水 枕 は大き過ぎますので「小児用 水 枕 」を使用します。

　　　○　 水 枕 の当て方
　　　　　 水 枕 で患者の肩を冷やさないよう後頭部に当てます。
　　　　　 水 枕 での冷やし加減の調節は、カバーの厚さで調節します。
　　　　　患者が一番心地いい状態に調節して上げて下さい。
　　　　　発熱があっても、患者が 水 枕 を嫌がる場合はあえて当てる必要はありません。

　　　○　 水 枕 使用上の注意
　　　　　稀に冷たい 水 枕 やゴムに アレルギー を起す場合があります。
　　　　　ゴム製 水 枕 に触れる皮膚に発疹が出る場合は使用を中止し、掛り付けの医師に相談して下さい。

　　　○　 水 枕 のご使用にあたって分からない事は、
　　　　　　　必ず掛り付けの医師に相談して対処して下さい。

　　　　　発熱などに対して、素人判断で処置する事は大変危険です。ご注意下さい。

　　　　　全国・こども救急総合ガイドへ リンク （緊急の場合ご利用下さい）

　４、ゴム製 水 枕 の作り方、使い方を解説したHPへリンク。


　　　○　文部科学省・看護資料（冷罨法）

　　　○　家庭でできる看護（温罨法・冷罨法）

　　　○　発熱時の対処法（日本赤十字社のHP）
　　　
　　　○　基礎看護技術・罨法（ＰＤＦファイル）