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○ 昭和時代のゴム製 水 枕
引き続き、「ダンロップ 水 枕 70年の歩み」から引用させていただきます。
昭和元年から2年に掛けて東京を中心に流行性感冒が大流行、多くの患者や死者を出しました。
その時、市民に頼られた家庭医療用具がゴム製 水 枕 と水銀体温計でした。
これを契機に、ゴム製 水 枕 と水銀体温計は家庭の常備医療器具として全国的に普及し始めました。
○ 太平洋戦争前後のゴム製 水 枕 小売価格
昭和15年から22年のゴム製 水 枕 小売価格を、「ダンロップ水枕70年の歩み」から、
見てみましょう。価格は、国が定めた「まる公価格」で統制されていました。
| 公 示 日 | |
シームレス式1個の価格 | |
貼り合せ式1個の価格 | |
| 昭 和15年9月 | |
1円67銭 | |
1円40銭 | |
| 〃 19年12月 | |
2円48銭 | | 2円18銭 | |
| 〃 21年1月 | |
16円00銭 | |
13円50銭 | |
| 〃 22年4月 | |
25円36銭 | |
17円03銭 | |
| 〃 22年10月 | |
59円00銭 | |
39円00銭 | |
昭和13年から10年間続いたゴム製 水 枕 の統制価格は、昭和23年10月に撤廃されました。
○ 昭和35年のゴム製 水 枕 普及率
昭和35年、朝日新聞で二人暮らしの家庭でのゴム製 水 枕 所有率の調査が行われています。
調査は、大阪とその他4都市、東京都23区、名古屋、豊橋、岐阜、四日市の
3地区に分けて行われ、内容は、家庭でのゴム製 水 枕 所有率、使用メーカーに関するものでした。
その結果を「ダンロップ水枕70年の歩み」から引用させていただきます。
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項 目 |
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大阪と
その他4都市 |
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東京都23区 |
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名古屋・豊橋
岐阜・四日市 |
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ダンロップ |
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44.4% |
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18.4% |
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37.2% |
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そ の 他 |
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33.3% |
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33.4% |
|
33.3% |
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未所有 家 庭 |
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33.6% |
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31.2% |
|
35.2% |
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この結果を見ると、ゴム製 水 枕 の所有率は64%から69%、ダンロップは東京都で多く、
大阪周辺ではその他(殆どはオンリーワンと推測)が多い結果が出ています。
○ 新しいゴム製 水 枕 の登場
昭和30年代後半、東京・小島ゴム製作所の「ベスト安定 水 枕 」が登場します。
これは、今までの 水 枕 に見られる水の動きによる不安定感を、 水 枕 の中央をゴムの柱で連結し、
水の動きを制限する事により、安定感を確保した 水 枕 です。
「ベスト安定 水 枕 」は特許製法だったので他社は追随出来ず、昭和30年台後半ベスト 水 枕 は
ゴム製 水 枕 の流行商品になりました。
○ ゴム製 水 枕 に代わる、新型保冷具の登場
昭和40年、「氷の入らない氷まくら」をキャッチフレーズに「アイスノン」の登場です。
宣伝効果と使う便利さ冷蔵庫の普及に後押しされて、大々的に普及したのです。
このため、ゴム製 水 枕 の売れ行きは一時減少しましたが、ゴム製 水 枕 メーカー各社の努力で
徐々に回復したのです。
○ ゴム製 水 枕 、小売価格の変遷
ここで、ダンロップ 水 枕 小売価格の変遷を「ダンロップ水枕70年の歩み」から見てみます。
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種類\(S/H)年 |
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S27年 |
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S30年 |
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S41年 |
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S50年 |
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S60年 |
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H03年 |
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普及型(円) |
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350 |
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480 |
|
600 |
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1,700 |
|
2,400 |
|
2,800 |
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安定型(円) |
|
- |
|
- |
|
750 |
|
2,000 |
|
2,700 |
|
3,300 |
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子供用(円) |
|
- |
|
380 |
|
450 |
|
1,500 |
|
2,200 |
|
2,600 |
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○ ゴム製 水 枕 メーカーとデザイン
昭和に入って、ゴム製 水 枕 の普及に伴い 水 枕 メーカーが数多く生まれましたが、
新型保冷剤の 氷 枕 が世に出てからは、現在までに徐々に寡占化されました。
現在、ゴム製 水 枕 を生産しているメーカーは数少なくなってしまいました。
その間、 水 枕 のデザインについて表面の模様に変化を求めるなど、各社工夫を凝らしましたが、
基本的に大正時代のデザインの域を出ずに現在に至っています。
これは、当初のデザインが機能的に最も使用に適したデザインであった証拠と思われます。
○ ダンロップ・ゴム製 水 枕 の種類別・販売比率(ダンロップ水枕70年の歩み・から)
ダンロップ 水 枕 の、子供用、普及型、安定型別平成6年販売比率は次のとおりです。
子供用 水 枕 :18.0% 普及型 水 枕 :30.1% ボックス型安定 水 枕 :51.9%
ボックス型安定 水 枕 が過半数の51.9%を締めています。
○ ゴム製 水 枕 と新型保冷剤 氷 枕 の使用比率
「ダンロップ水枕70年の歩み」には、昭和58年にボックス型安定 水 枕 の販売が伸びている、
と記載され、徐々にゴム製 水 枕 の良さが理解されているものと思われます。
事実、大手総合病院での比率は、ほぼ半々と言うデーターもあります。
病院など医療機関が使用するゴム製 水 枕 は、普及型が多く使用されています。
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